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衝撃の「ウルティ」

この記事は「Trick-taking games Advent Calendar 2016」12/7のエントリーとなります。


今年プレイしたトリックテイキングゲームの中では「ウルティ」というトランプゲームが一番印象に残りましたのでその感想をトリテアドベントカレンダーの記事にさせていただきます。


ウルティ」というゲームが面白そうであることを知ったのはゴクラクテンさんの「ウルティ」の紹介記事を読んだことがきっかけであったと思います。

トランプゲーム大全」の巻末にも著者である赤桐さんのお薦めゲームリストにも載っているゲームだそうで、これはもうプレイしてみるしかありません。「トランプゲーム大全」はもちろん持っています(笑)。


「トランプゲーム大全」でルールを確認したところ、3人用で通常のトランプから2〜6を抜いた32枚を使うところは「スカート」等と同じ普通の流れでしたが、その後はいろいろ異なります。ルールの詳細はゲームファームを参照していただくとして、カードのプレイは「マストフォロー」は当然ですが「マストウイン」でさらに「マストラフ」となっていました。このルールは前に「シュナプセン」等でも経験がありますので、この時点ではそんなに驚いたりはしませんでした。


ルールを読んでいて面白かったところは、「コントラ」に関するルールのところで

 ディフェンダー側のプレイヤー(ソロイスト以外の2人)のどちらでも、最初のトリックのプレイを行うと同時に、コントラ(kontra)を宣言することができます。コントラがかけられると、それに対するゲームポイントが2倍になります。

 コントラに対して、ソロイストは、第2トリックのプレイを行う時に、レコントラ(rekontra)を宣言する事ができます。ゲームポイントは4倍になります。

 ディフェンダー側はレコントラに対して、スブコントラ(szubkontra)をかけることができます。スブコントラはゲームポイントを8倍にします。 そのあと、ヒルコントラ(hirskontra =16倍)、モルドコントラ(mordkontra=32倍)、フェダクサリ(fedáksári=64倍)と続けることもできます。

コントラ位まではよくある話ですが、それ以上の部分は金でも賭けてプレイしなければ、ここまでエキサイトすることはあるまいと思いましたw


その他のルールとして、ゲームのタイトルにもなっている「ウルティ」という「最後のトリックに切札の7を出して、勝つ宣言」やビッドの最中に2枚のウィドウ(場にある残ったカード)と手札を交換してだんだんと手札が改善されて上位のビッドができるようになる面白さなどなど、みるべきところのたいへん多いゲームです。


プレイはトリテ慣れしている3名で行いました。慣れているにも関わらずこの直前にプレイした「ミットレールヤス」の影響でリボーク頻発で(苦笑)でした。またプレイする中でビッドの時に捨てるカードの中に不要であっても「ハート」のカードや「K」や「Q」を含めて入れることは危険であることを身をもって体験しました。


この記事の「衝撃」というタイトルがついている部分はプレイの中で「ベトリ」という全トリック負けるという宣言でプレイされた時のことです。「全トリック負ける」というのは他のトランプゲームでも「ヌル」とか「ミゼール」などと呼ばれよくあるルールですが、「ウルティ」では「マストウィン」というルールがあるので、お互いに負けるカードを持っているのに勝つカードを出さざるを得ないのです!!。通常のゲームの負けやすい手札としてはあるスートのローカードだけとか長いスートでハイカードがあってもローカードを持っているときは比較的安全です。「ウルティ」の場合はハイカードを1枚持っているだけでビッドは厳しい状態なのです。ただそんなにローカードだけが手札にくるなんてことはありえないので、プレイしてみると案外ミドルカードも敵の持ってるハイカードでマストウィンなので勝ってもらえることがわかります。もう、どんな時に「ベトリ」をビッドすればよいのかわけがわかりません。この「マストウィン」と「ベトリ」が組合さったときの予想もしていなかったわけのわからなさが今年遊んだトリテの中で一番印象に残った衝撃的な出来事でした。(おわり)