薬喰い
薬喰いとは‥獣肉を食べることを忌避する時代や文化のなかで「薬」を食べると称して獣肉を食べること。
ここで紹介するのは「薬喰い」という花札の伝統技法です。
準備
- 2人用の技法です。
- 使用札:7月萩(猪)と10月紅葉(鹿)のカス札を抜いた44枚。
- 得点計算用のチップとして各自100文持ちとかにするといいと思います。
- 昔は純粋に小銭を賭けてプレイされていたのでしょう^^。
札の配り方
- 適当な方法で親を決め親が札を配る。
- 札の枚数は手4場4。子2枚(裏)→親2枚(裏)→場3枚(裏)→子2枚(裏)→親2枚(裏)→場1枚(表)
- これで場札が4枚(裏3枚、表1枚)になります。もし場の表の札が「雨(柳)」の札の場合は裏の場札を「雨(柳)」以外の札が出るまで1枚づつめくります。(場札に雨(柳)札が4枚出た場合は全て配り直し)
プレイの方法
- 最初の手番は親からで、手札から1枚札を出します。場札の一番上の表の札と同じ月の札を出した場合には場札を全部取ることができます。(取った札は何の札を取ったかがわかるように並べてさらします。)
- 場札の一番上とは違う月の札を出した場合には札を取ることができず、出した札を表にして場札の一番上に重ね場札が1枚増えることになります。
- 手番が子に移り、同様にプレイします。
- 順に繰り返し、手札がなくなった時に山札よりあらたな手札を4枚配り直します。(2枚づつ2回で4枚配る)
- 山札、手札が全てなくなるまでプレイを行い、最後に場札が残った場合にはその場札は誰も取ることができません。
- こうして最後に出来役代を合計してその差額をやりとりします。
- 勝ったほうが次回の親になり、12カ月とか6カ月とか決めた回数を勝負します。
「薬喰い」(役)
- 相手に札を合わせられて場札を全部取られてしまった場合、次のプレイヤーは場札のない状態で手札より1枚出さなければなりません。
- この時、出した札を次の相手の手番ですぐに同じ月の札を出されで合わせられてしまうことを『薬喰い』とよび相手に1文〜2文(文数は決めによる>2文おすすめ)直ちに支払います。役代だけ支払いゲームは続行します。
- 但し、雨(柳)の札で合わせられた場合には『薬喰い』にはなりません。場札は取ることはできます。
- 『薬喰い』が連続して発生することがあり、これがこの技法のハイライトです^^。
「雨(柳)」特殊札(鬼札・オールマイティ)
- 「雨(柳)」の札は手札から出した場合にはどの月の札にも合わすことが出来、場札を全部取ることができます。
- 但し、場札を取られた後、場札が1枚もない状態で「雨(柳)」を出してもなにも取ることできずそのまま場札になります。
- また、「雨(柳)」が場札の場合は「雨(柳)」以外で合わせて取ることができません。
出来役代
- 五光‥8文〜10文(決めによる。8文おすすめ。)
- 四光‥4文
- 三光‥3文
- 雨三光‥2文(雨札強いのでなくてもいいかも。<個人的所感。)
- 鉄砲(猪+鹿)‥2〜3文(決めによる。3文おすすめ。)
- 鍋(猪+鹿+牡丹(蝶))‥3〜4文(決めによる。4文おすすめ。)
- 「鉄砲(2枚役)」(猪+鹿)に牡丹(種札(蝶))が入ると「鍋(3枚役)」になります。
- 牡丹鍋の語源かも‥^^。もしかしたら現代の「猪鹿蝶」になる前の役なのかもしれませんね。
- 赤短・青短・草短‥2文
- 五トウ(種)‥種札5枚で1文。1枚増す毎に+1文
- 五タン(短)‥短札5枚で1文。1枚増す毎に+1文
- 十カス‥カス10枚で1文。1枚増す毎に+1文
感想
- 実際にプレイを行った感じでは、最後は完全読み切りモードになってしまうので、最初の場札の裏返っている札は取った後も裏返したままにしておいて最後まで何の札かわからないようにしたほうがゲームとしては面白いかもしれません。>個人的所感
- 花札の技法の「めくり」「よみ」「きんご」とは異なる技法です。「あわせ」と呼ばれる技法の系列なのかもしれません。出来役は「めくり」の技法に近いですが‥。興味深いです。
- 4人用の技法もあるらしいのですが‥(>詳細は不明です。)